大村智さんノーベル医学生理学賞…多くの家畜と10億人を救った特効薬を研究

2015年10月5日、スウェーデンのカロリンスカ研究所は北里大特別栄誉教授である大村智(さとし)氏(80)にノーベル医学生理学賞を授与すると発表しました。大村氏はアフリカなどで発生している寄生虫による感染症の特効薬「イベルメクチン」を開発しました。

大村氏は1970年代から各地で土を採取して、その中にいる微生物が生産している化学物質を分離、培養するという地道な作業を繰り返していました。そうしていく中で静岡県伊東市のゴルフ場近くの土壌にいた新種の放線菌が生産する物質、それが後にヒトにも動物にも寄生している虫に劇的に効くとわかる「エバーメクチン」を発見しました。それを1979年に牛に体重1キロ当たり200マイクログラムを1度飲ませるだけで体内にいる5万匹もの寄生虫を100%駆除できるとの成果を学会で発表しました。また、米製薬大手のメルク社との共同研究により構造を一部変え、さらに効果を強めたイベルメクチンを開発しました。この薬は線虫類(フィラリア)やダニ、ウジなどの寄生虫に高い効果があり動物用の薬として普及し、家畜の安定供給に貢献しました。それに加え、ヒトにも劇的な効果があることから、失明することもある熱帯病のオンコセルカ症(河川盲目症)や、リンパ系フィラリア症(象皮症)の特効薬となりました。世界保健機関(WHO)は、この薬のおかげで2020年代にいずれの病気も世界中で撲滅できると見込んでいます。

愛犬家の方なら気づいておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、ペットである犬のフィラリア症の予防にもなくてはならないものです。これによってペットの寿命も劇的に延びています。かの有名な忠犬ハチ公はフィラリア症が原因で1935年に死亡したといわれています。もしハチがこの薬を飲んでいたら苦しまずに天寿をまっとうできたかもしれません。

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